確定申告ソフトで効率的に作業
確定申告ソフトの利便性
確定申告を行うためには、日々の取引を会計帳簿に記入して記録しなければなりません。この作業を手書きで行う場合には、「入金伝票」、「出金伝票」及び「振替伝票」を起票したのち「仕訳帳」を作り、「総勘定元帳」に転記し、さらに「売掛帳」、「買掛帳」を作成しなければなりません。作業によっては順番が入れ替わることがありますが、手書きでこれだけの一連の経理業務を行うのは大変手間がかかります。
また、金額が間違っていたり、転記ミスや貸方・借方の勘定科目が逆になっていた場合は、全て伝票をチェックする必要がありますし、時間効率も悪くなります。場合によっては修正作業のために半日を潰れてしまう、ということもあるかもしれません。
確定申告ソフトのメリット
作業効力の向上
確定申告ソフトを使えば、前述の通り作業効率が格段に向上する他、「現金出納帳入力」、「元帳入力」、「振替伝票入力」、「仕訳帳」など(ソフトによって名称が違います)使いやすい入力方法で入力すれば、自動で「仕訳帳」、「総勘定元帳」だけでなく「売掛帳」、「買掛帳」及び「現金出納張」や「預金出納張」も作成してくれます。改めて入力したり、別途に作成したり転記する必要はありません。
ミスの軽減
さらに、金額の間違いがあれば最初の数値を修正するだけで、他の帳簿も自動で修正され、金額の誤入力、計算間違いがあれば、ソフトに「貸方借方の金額が一致しません」と表示されますので間違いも少なくなります。勘定科目の間違いや変更も元の入力した仕訳を変更するだけです。
多大な資料の提供と経営分析
また、確定申告ソフトを使えば、月次残高試算表で月間の傾向が瞬時に確認できる他、一括償却資産の内訳一覧表 、 固定資産台帳 の管理、確定申告用の青色申告決算書、 収支内訳書並びに消費税集計表、消費税申告書等様々な資料が出力できます。
さらに、月次残高推移表、月次残高推移グラフ、四半期残高推移表、四半期残高推移グラフ等の分析資料も出力でき、単に確定申告のためのソフトとしてではなく事業の健全性や成長度合をどんぶり勘定では無く実績として確認できます。
入力漏れも日付毎に再並び替え
また、入力漏れがあっても後日入力すれば日付順に並び替えてくれます。手書きの場合は、後で書き加えるということは他の帳簿にも影響してきますので結局逆日付で記録することになります。
経費の節減
しかも、手書きの場合ですと簿記3級程度の知識が無いと日々の記帳はおろか、確定申告まで行うのは難しく、結局税理士に依頼したり、記帳代行会社に依頼することになりますので、却って高くなります。
確定申告ソフトがあれば、会計の本が一冊あれば概ね処理することが出来ます。起業前に数日間の簿記の3級の講義(1万円程度)を受ければ簿記3級の試験に合格しなくても十分ですので経費の節約にもなりますが、心配なら青色申告会や地元の商工会に入会して、分からない仕訳があったり、作業の方法が分からなかったら指導を受けるのもいいでしょう。
ネットビジネスの場合は、勘定科目も限られ、仕訳の数も少ないので覚えるのに時間は掛からないと思います。慣れれば、作業としては非常に簡単です。
確定申告ソフト導入の時期
ソフトの導入は開業と同時に行うのがベストです。期の途中で導入すれば、今までのデータを全て入力し直さなければなりませんし、導入時からソフトに入力して、以前のは手書きのままというのでは決算の時に大変な労力が伴います。手書きで記帳していたのと変わらない作業になりますので簿記3級程度の知識も必要になります。
次の期初から導入する場合は、前期の決算・確定申告は手書きとなり、さらに、期首の数値を全て入力する必要があります。