送料の仕訳-1-Amazonマーケットプレイスで販売
Amazonマーケットプレイスで販売の場合
Amazonマーケットプレイスに出店して商品を販売する場合の発送は、AmazonFBAで在庫管理と発送を委託する場合と自店で発送する方法が有りますので両方の場合で説明いたします。なお、送料関係だけを仕訳すると伝票の種類を間違ったり全体が分かり難くなりますので「売上」の仕訳も行っています。
送料の仕訳の考え方
送料の仕訳は、原則としては売上として計上するのが一般的ですが、売上に占める送料の割合が高い場合は消費税も加味する必要があります。送料を「預り金」もしくは「立替金」として仕訳した場合は、売上に含まれませんので商品の販売価格を基準に消費税を考えればいいことになります。
消費税は売上全体に課税されますので、利益が出ていなくても支払わなくてはいけません。売上が少ない時は送料を「売上」に含め、売上が増えて課税対象となった段階で送料を「売上」から除くということは、継続性の原則(勘定科目や会計基準を途中で変更してはいけない)から出来ませんので、いずれかの方法を予め選択しておく必要があります。
消費税の節税は重要ですが、ここでは、Amazonマーケットプレイスでの売上は処理の煩雑さから、送料の受入れ部分は「売上」に含めて仕訳を行います。
送料の受入れ方法、時期、発送の方法毎に仕訳の方法は下記の通りです。
AmazonFBAで販売した場合
AmazonFBAでは、送料は原則として出品者の負担です。送料を購入者が支払ったとしても、その金額を送料として受領し出品者へ差額を請求する形式ではありません。流れとしては、購入者が出品者に支払う分をAmazonが代理受領します。そして、売上確定の段階で出品者に支払い送料は別途出品者が支払います。
但し、ギフト配送等の場合は、トランザクションでは預かったギフト配送料等を一旦出品者に支払った後、同額を出品者に請求して回収する方法をとっています。一方、Amazon seller centralの「ペイメント」での計算は逆に「Amazon手数料」の中に購入者が支払った送料が含まれ出品者への支払い金額と相殺された後に、「その他(配送料やギフト配送料)」として出品者に還付されています。但し、メディアや2,000円を超える商品の場合は送料は出品者が全て負担し、購入者の負担は有りません。
購入者が送料を負担しない場合
購入者が送料を負担しなくても、出品者は送料等をAmazonに支払います。しかし、Amazonの明細は出荷作業手数料及び発送重量手数料が合計されています。
この二つは分離することは可能ですが、出荷作業手数料は、さらに送料、梱包材及び作業料等を一括して含んでいますので「荷造運賃」に該当する費用を分離するのは難しくなっています。伝票の起票は、AmazonFBAから発送連絡が来た段階で「トランザクション」で確認して起票します。
金額 | 借方科目 | 摘要 | 貸方科目 | 金額 |
4,220円 | 売掛金 | AmazonFBAの売上 | 売上 | 4,220円 |
2,580円 | 支払手数料 | Amazon手数料 | 未払金 | 2,580円 |
ー | ||||
6,800円 | 合計 | 6,800円 |
支払手数料には、販売手数料、カテゴリー成約料、配送作業手数料、配送重量手数料、AmazonFBA保管手数料、大口出品者登録料等を含みます。
勘定科目の「支払手数料」は、使用するソフト及び加入団体の指導で「販売手数料」等の仕訳を指示された場合は、それに従ってください。
購入者が送料を負担した場合
購入者が送料を負担した場合の仕訳です。2,000円未満の購入金額で送料の負担が有る場合及びギフト配送やお急ぎ便等を利用する場合の仕訳です。
金額 | 借方科目 | 摘要 | 貸方科目 | 金額 |
4,570円 | 売掛金 | amazonFBAの売上 | 売上 | 4,570円 |
2,580円 | 支払手数料 | amazon手数料 | 未払金 | 2,580円 |
ー | ||||
7,150円 | 合計 | 7,150円 |
送料350円が「売掛金」及び「売上」の両方に含んまれています。 なお、時間指定配達、お急ぎ便、ギフト配送等を利用した場合は、上段及び中段の借方・貸方のいずれにも(売掛金、売上、支払手数料、未払金)該当金額を加算します。
amazonで販売し自己発送する場合
Amazonのサイトで販売し、自己発送する場合は、Amazonで注文受付、送料を含めて代金を受領、Amazonから入金の連絡、発送という流れになります。しかし、入金の連絡があっても決済方法が不明で、現金振込か、コンビニ払いか、クレジットカード支払いか分からず仕訳は不可能です。また、売上は発送を以って計上するのが原則ですので売上の段階で最初の起票を行います。
Amazonが購入者から受領する送料は、サイズ、重量に関わらず一定ですが、出品者が配送業者に支払う費用は色々ですので、差額が発生し持ち出しが発生したり、雑収入になったりしますので、自己発送の場合も受領した送料は「売上」に含めて仕訳します。
発送時の仕訳は次の通りです。なお、発送したら直ぐに出荷入力を行います。
金額 | 借方科目 | 摘要 | 貸方科目 | 金額 |
5,257円 | 売掛金 | Amazonでの売上 | 売上 | 5,257円 |
890円 | 支払手数料 | Amazon出品手数料 | 未払金 | 890円 |
ー | ||||
6,147円 | 合計 | 6,147円 |
売上及び売掛金の中には、購入者が支払った送料を含みます。
一方、支払い手数料の中には、AmazonFBAから発送した場合に発生した配送作業手数料は含まれていません。
実際に発送した場合の送料は下記の通り別途に出金伝票で起票します。
勘定科目 | 支払先 | 摘要 | 金額 |
荷造運賃 | ○○郵便局 | Amazon売上分発送 | 80円 |
「補足説明欄」に購入者名、注文番号等を記載し記録しておきます。