売上時の仕訳-2ーECサイトからの通販売上・カード売上の場合

ECサイト等で通信販売した場合の売上処理

自社のネットショップや広告を介して電話・FAX等により注文を受けた場合の売上の仕訳です。注文を受けただけでは仕訳は発生しません。仕訳は、代金を受領した場合や商品を発送した場合です。一般には、代金が振り込まれた後に発送しますので、その流れで起票します。なお、入金は主に現金振込とクレジットカード売上が主流ですので、レアケースとなる現金書留、郵便小為替及び小切手支払いは記載していません。

通信販売等で売上げた場合の仕訳

実費で送料を受領した場合の仕訳

販売代金と送料を受領したのち発送する場合の仕訳です。入金が有った段階で次の通り仕訳します。

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
7,050円 普通預金  ネット注文分入金 預り金 7,050円
  山田太郎様
7,050円 合計 7,050円

その後、商品を発送した段階で次の通り仕訳します。

送料発送時の振替伝票

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
6,500円 預り金  ネット売上 3件 売上 6,500円
6,500円 合計 6,500円

商品発送時の送料の出金伝票

勘定科目 支払先 摘要 金額
預り金  ○○郵便局 ネット売上分発送 550円

送料を実費で受領していますので、購入者から送料を預かり代払いした形で仕訳していますので「荷造運賃」の仕訳は行いません。

定額で送料を受領した場合の仕訳

送料を一律○○円として受領する場合は、送料を「売上」に含める方法での仕訳を推奨します。「預り金」として受入れ、送料の不足分を販売者が負担したり、実費以上に送料を受領する方法も有りますが、消費税との絡みが有りますので、採用する場合は税務署、税理士や所属する団体(青色申告会、商工会議所等)に相談されることをお勧めします。会計の継続性の原則から途中で勘定科目ゃケース毎に仕訳の方法を変更することは出来ませんので注意が必要です。

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
5,200円 普通預金  ネット注文分入金 1件 預り金 5,200円
  山田次郎様
5,200円 合計 5,200円

送料として200円を受領した場合の仕訳例です。
その後発送した段階で次の仕訳を行います。

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
5,200円 預り金  ネット売上 3件 売上 5,200円
5,200円 合計 5,200円

さらに送料の出金伝票を起票します。

勘定科目 支払先 摘要 金額
荷造運賃  ○○郵便局 ネット売上分発送 600円

なお、入金と発送が同日の場合は次の通りとなります。

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
5,900円 普通預金  ネット売上 3件 売上 5,900円
5,900円 合計 5,900円

この場合も「荷造運賃」の出金伝票を起票します。

クレジットカードで販売した場合

小規模・零細な小売店やせどりの場合は、直接クレジット会社とクレジット取扱の契約をすることは難しく、仮に契約できたとしても小規模・零細で不安定業種の場合は手数料が極めて高いのでメリットも少ないと思います。そのため、クレジットカード決済代行会社を通じてクレジットカードの取り扱いをすることになります。

クレジットカード売上の場合の仕訳例です。

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
25,000円 売掛金  一般消費者に古本販売 売上 25,000円
 25,000円 合計  25,000円

クレジット会社から入金が有った場合に次の仕訳を行います。クレジットカード売上の場合は、クレジット会社の手数料が差し引かれて支払われます。

金額 借方科目 摘要 貸方科目 金額
24,000円 普通預金 クレジット会社から入金 売掛金 25,000円
  1,000円  支払手数料 クレジット会社の手数料
 25,000円 合計 25,000円